長らへてあらぬまでにも言の葉の
深きはいかにあはれなりけり
- 歌の意味
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生きながらえていられないほどになっても、言葉の深いのは、なんとしみじみと身にしみることであったのだろう。
- 鑑賞
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巻第九 恋歌一 600
詞書「男につかはしける」
生きながらえていられないほどになっても、深い言葉はなんとしみじみと身にしみることか、と詠んだ歌である。命も尽きそうな恋の苦しみのなかで、相手の深い言葉に心を打たれた思いを表している。
詞書によれば、男に送った歌である。本巻の巻末歌で、巻頭の第五百七首が逢ったのちのわびしさを詠んだのに対し、巻末では相手の言葉の深さに感じ入る思いで恋歌一を締めくくっている。
作者は「よみ人しらず」で、詠み手の名は伝わらない。
初句「長らへて」は、生きながらえて、の意である。
二句「あらぬまでにも」は、いられないほどになっても、の意である。
三句「言の葉の」は、言葉の、の意である。
四句「深きはいかに」は、深いのは、なんと、の意である。
結句「あはれなりけり」は、しみじみと身にしみることであったのだ、の意で、「けり」は気づきの詠嘆を表している。
ながらふ:生きながらえる
ことのは:言葉、和歌
- 作者
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よみ人しらず
- 出典
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後撰和歌集
- 前の歌
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白浪のよるよる岸に立ち寄りて ねも見しものをすみよしの松
- 次の歌
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人を見て思ふ思ひもあるものを 空に恋ふるぞはかなかりける