我がごとや君も恋ふらん白露の
おきても寝ても袖ぞ乾かぬ
- 歌の意味
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私と同じように、あなたも恋しく思っているだろうか。白露が置くように、起きていても寝ていても、私の袖は涙で乾くことがない。
- 鑑賞
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巻第十 恋歌二 626
詞書「遠き所にまかりける道より、やむごとなきことによりて京へ人つかはしけるついでに、文の端に書きつけ侍りける」
あなたも私と同じように恋しく思っているだろうか、起きても寝ても袖は涙で乾かない、と詠んだ歌である。旅の途上で都の恋人を思い、昼夜を問わず流れる涙を白露に重ねている。
詞書によれば、遠い所へ下る道中から、大切な用事で都へ使いを出したついでに、手紙の端に書きつけた歌である。
作者は「よみ人しらず」で、詠み手の名は伝わらない。
初句「我がごとや」は、私と同じように、の意で、「や」は疑問の係助詞である。
二句「君も恋ふらん」は、あなたも恋しく思っているだろうか、の意で、初句の「や」を受けて連体形「らん」で結ぶ係り結びとなっている。ここで句切れとなる。
三句「白露の」は、白露が置くように、の意で、四句の「おき」を導いている。
四句「おきても寝ても」の「おき」は、露が「置き」の意と、「起き」を掛けた掛詞で、起きていても寝ていても、の意である。
結句「袖ぞ乾かぬ」は、袖が乾かない、の意で、「ぞ」は強めの係助詞、連体形「乾かぬ」で結ぶ係り結びとなっている。
おく:露が「置く」意と、「起く」を掛ける
- 作者
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よみ人しらず
- 出典
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後撰和歌集
- 前の歌
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難波潟刈りつむ葦の葦筒の 一重も君を我や隔つる
- 次の歌
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つらくともあらんとぞ思ふよそにても 人や消ぬると聞かまほしさに