- 歌の意味
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難波潟で刈り積む葦の、その茎の中の薄皮ほどの一重さえも、私があなたとの間を隔てたりするだろうか。
- 鑑賞
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巻第十 恋歌二 625
詞書「おのれを思ひ隔てたる心ありと言へる女の返事につかはしける」
難波潟で刈り積む葦の茎の薄皮ほどの一重さえ、私はあなたを隔てたりしない、と詠んだ歌である。心に隔てがあると責める女に、そんなことはまったくないと打ち消している。
詞書によれば、作者が自分を思い隔てる心があると言ってきた女の返事に対して送った歌である。
作者の「兼輔朝臣」は藤原兼輔である。藤原利基の子で、中納言を務め、堤中納言と呼ばれた。三十六歌仙の一人で、小倉百人一首には「みかの原わきて流るるいづみ川」の歌が採られている。
初句「難波潟」は、摂津の国の歌枕で、葦の名所である。
二句「刈りつむ葦の」は、刈り積み上げた葦の、の意である。
三句「葦筒の」は、葦の茎の中にある薄い膜のことで、初句から三句までが、薄いものの意で四句の「一重」を導く序詞となっている。
四句「一重も君を」は、わずか一重ほども、あなたを、の意である。
結句「我や隔つる」は、私が隔てたりしようか、の意で、「や」は反語の係助詞、連体形「隔つる」で結ぶ係り結びとなっている。
なにはがた:摂津の国の難波の干潟、葦の名所として知られる歌枕
あしづつ:葦の茎の中にある薄い膜
へだつ:間を隔てる、心に隔てを置く
- 作者
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藤原兼輔
- 出典
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後撰和歌集
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音にのみ聞きこし三輪の山よりも 杉の数をば我ぞ見えにし
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我がごとや君も恋ふらん白露の おきても寝ても袖ぞ乾かぬ