ともすれば風のよるにぞ青柳の
糸はなかなか乱れそめける
- 歌の意味
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ややもすれば、風が吹き寄せるたびに、縒られるはずの青柳の糸はかえって乱れ始めたことだ。
- 鑑賞
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巻第一 春歌 32
詞書「題しらず」
風が吹き寄せるたびに青柳の細い枝が乱れる様子を、糸を縒ることと乱れることという糸の縁で詠む。縒り合わせるはずの風によって、かえって糸が乱れるという逆説がある。
初句「ともすれば」は、ややもすれば、何かにつけての意である。
二句「風のよるにぞ」は、風が「寄る」意と、糸を「縒る」意を掛けた掛詞である。「ぞ」の係り結びで結句の連体形「ける」で結ぶ。
三句「青柳の」は、本巻の第三十三首から第三十五首まで続く青柳の歌の最初に置かれる。
四句「糸はなかなか」は、柳の細い枝を糸に見立て、「なかなか」はかえっての意である。
結句「乱れそめける」は、「乱る」が「縒る」「糸」と縁語をなし、乱れ始めたことだ、と結ぶ。
よる:風が吹き寄せる意と、糸をよじり合わせる意を掛ける
いと:ここでは柳の細い枝を糸に見立てたもの
- 作者
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よみ人しらず
- 出典
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拾遺和歌集
- 前の歌
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匂ひをば風に添ふとも梅の花 色さへあやなあだに散らすな
- 次の歌
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近くてぞ色もまされる青柳の 糸はよりてぞ見るべかりける