我が恋を知らんと思はば田子の浦に
立つらん浪の数をかぞへよ
- 歌の意味
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私の恋の深さを知ろうと思うのなら、田子の浦に立っているだろう波の数を数えてみよ。
- 鑑賞
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巻第十 恋歌二 630
詞書「女のもとより、志のほどをなむえ知らぬと言へりければ」
私の恋を知りたいと思うなら、田子の浦に立つ波の数を数えてみよ、と詠んだ歌である。数えきれない波の数で、恋の思いの尽きないことを示している。
詞書によれば、女のもとから、あなたの気持ちのほどが分からないと言ってきたので詠んだ歌である。本巻の第六百四十三首も浜の真砂の数で恋の多さを測っており、同じく数えきれないものを引いて思いの深さを示す趣向である。
作者の藤原興風は、藤原道成の子で、管弦にもすぐれた。三十六歌仙の一人で、小倉百人一首には「誰をかも知る人にせむ高砂の」の歌が採られている。
初句「我が恋を」は、私の恋を、の意である。
二句「知らんと思はば」は、知ろうと思うなら、の意である。
三句「田子の浦に」は、駿河の国の歌枕である田子の浦に、の意で、六音の字余りとなっている。
四句「立つらん浪の」は、立っているだろう波の、の意で、「らん」は目の前にない事柄を推量する助動詞である。
結句「数をかぞへよ」は、数を数えてみよ、の意で、命令の形で一首を結んでいる。
たごのうら:駿河の国の海岸、富士山を望む歌枕
- 作者
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藤原興風
- 出典
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後撰和歌集
- 前の歌
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わりなしと言ふこそかつはうれしけれ おろかならずと見えぬと思へば
- 次の歌
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色ならば移るばかりも染めてまし 思ふ心をえやは見せける