- 歌の意味
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宵のうちに早く私の心を慰めてくれ。長いあいだ使わず古びてしまった寝床の塵も払い清めるように。
- 鑑賞
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巻第十一 恋歌三 756
詞書「宮仕へし侍りける女、ほど久しくありて物言はむと言ひ侍りけるに、遅くまかりければ」
宵のうちに早く慰めてほしい、古びた床の塵も払うように、と詠んだ歌である。久しぶりに逢おうと言ってきた女のもとへ遅れて行った男が、待たせた詫びを含めながら、早く心を和ませてほしいと求めている。
詞書によれば、宮仕えをしていた女が、長い間をおいて話をしようと言ってきたのに、遅れて出向いたので詠んだ歌である。次歌の第七百五十七首は伊勢の返しである。
作者の「枇杷左大臣」は藤原仲平である。関白藤原基経の子で、左大臣にまで昇った。枇杷殿に住んだことからこう呼ばれ、伊勢と恋愛関係にあったことで知られる。
初句「宵の間に」は、宵のうちに、の意である。
二句「はや慰めよ」は、早く慰めてくれ、の意で、ここで句切れとなる。
三句「石上」は、大和の国の地名で、同音の「古る」を導く枕詞である。
四句「古りにし床も」は、古くなってしまった寝床も、の意で、長く訪れなかったことをいう。次歌の第七百五十七首の二句「荒れにし床を」と、同じ「床」で応じている。
結句「うち払ふべく」は、払い清めるように、の意で、床に積もった塵を払うことをいう。
いそのかみ:大和の国の地名。「古る」を導く枕詞
とこ:寝床
- 作者
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藤原仲平
- 出典
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後撰和歌集
- 前の歌
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松山につらきながらも波越さむ ことはさすがに悲しきものを
- 次の歌
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わたつみと荒れにし床を今更に 払はば袖や泡と浮きなん