白雪の積もる思ひも頼まれず
春より後はあらじと思へば
- 歌の意味
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白雪のように積もるというあなたの思いも、頼みにはできない。春が来ればその後は消えて残らないだろうと思うので。
- 鑑賞
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巻第十四 恋歌六 1071
詞書「返し」
白雪のように積もる思いも頼みにはできない、春より後はなくなってしまうだろうと思うので、と詠んだ歌である。前歌の「白雪の積もれる思ひ」を受け、雪が春には消えるように、あなたの思いも長くは続かないだろうと疑っている。
詞書によれば、前歌の第千七十首への女の返しである。前歌が雪の積もる早さに思いの深さを重ねたのに対し、本歌は雪の消えやすさに目を向け、同じ雪を反対の面から詠んで切り返している。
作者は「よみ人しらず」で、詠み手の名は伝わらない。
初句「白雪の」は、白雪のように、の意で、前歌の初句をそのまま受けている。
二句「積もる思ひも」は、積もるという思いも、の意で、前歌の二句と三句「積もれる思ひ」を受けている。
三句「頼まれず」は、頼みにすることができない、の意で、「れ」は可能の助動詞である。ここで句切れとなる。
四句「春より後は」は、春から後は、の意で、雪が春には解けて消えることを踏まえている。
結句「あらじと思へば」は、なくなってしまうだろうと思うので、の意で、「じ」は打消しの推量の助動詞である。三句へ返る倒置となっている。
たのむ:頼りにする、あてにする
- 作者
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よみ人しらず
- 出典
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後撰和歌集
- 前の歌
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白雪の今朝は積もれる思ひかな 逢はでふる夜の程も経なくに
- 次の歌
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わが恋し君があたりを離れねば 降る白雪も空に消ゆらん