なみかずにあらぬ身なれば住吉の
岸にも寄らずなりやはてなん
- 歌の意味
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人並みの数にも入らない身であるので、波が住吉の岸に寄るようにはあの人のもとへ寄ることもなく、このまま終わってしまうのだろうか。
- 鑑賞
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巻第十七 雑歌三 1210
詞書「題しらず」
人並みの数にも入らない身なので、波が寄せる住吉の岸にも寄れずに終わるのだろうか、と詠んだ歌である。「波数」と「並み数」を掛け、人並みでない身を、岸に寄りつけない波にたとえて嘆いている。
作者は「よみ人しらず」で、詠み手の名は伝わらない。原文の作者表記は「よみ人も」とあるが、ここでは「よみ人しらず」として扱う。
初句「なみかずに」の「なみかず」は、「波数」と「並み数」を掛けた掛詞で、人並みの数に、の意と、寄せる波の数に、の意を重ねている。
二句「あらぬ身なれば」は、入らない身であるので、の意で、「ば」は原因、理由を表す。
三句「住吉の」は、摂津の国の住吉の、の意で、歌枕である。
四句「岸にも寄らず」は、岸にも寄らない、の意で、「波」と「岸」「寄る」は縁語である。思う人のもとへ近づけないことをたとえている。
結句「なりやはてなん」は、なってしまうのだろうか、の意で、「や」は疑問の係助詞で、連体形「なん」で結ぶ係り結びとなっている。
なみかず:「波数」の意と、人並みの数の意の「並み数」を掛ける
すみよし:摂津の国の地名、住吉の社のある海辺、歌枕
- 作者
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よみ人しらず
- 出典
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後撰和歌集
- 前の歌
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貫きとめぬ髪の筋もてあやしくも 経にける年の数を知るかな
- 次の歌
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尽きもせず憂きことの葉の多かるを 早く嵐の風も吹かなむ