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睦ましき妹背の山の中にさへ
隔つる雲の晴れずもあるかな

歌の意味
仲睦まじいはずの妹背山の間にまで、隔てる雲が晴れないでいることよ。
鑑賞
巻第十七 雑歌三 1214

詞書「はらからの中にいかなる事かありけん、常ならぬさまに見え侍りければ」
 睦まじいはずの妹背山の間にさえ、隔てる雲が晴れずにいることだ、と詠んだ歌である。兄弟姉妹を、並び立つ妹山と背山にたとえ、その仲を隔てる雲が晴れないと、きょうだいの不和を気づかっている。
 詞書によれば、兄弟姉妹の間に何があったのか、いつもとは違う様子に見えたので詠んだ歌である。
 作者は「よみ人しらず」で、詠み手の名は伝わらない。

 初句「睦ましき」は、仲の良い、の意である。
 二句「妹背の山の」は、紀伊の国の妹山と背山の、の意で、歌枕である。「妹背」はここでは兄弟姉妹の仲を表している。
 三句「中にさへ」は、間にまで、の意で、「さへ」は添加を表す。
 四句「隔つる雲の」は、隔てる雲が、の意で、きょうだいの間のわだかまりをたとえている。
 結句「晴れずもあるかな」は、晴れないでいることよ、の意で、「かな」は詠嘆を表す。

はらから:同じ母から生まれた兄弟姉妹
いもせのやま:紀伊の国の妹山と背山、歌枕
へだつ:間を隔てる
作者
よみ人しらず
出典
後撰和歌集
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