我がために置きにくかりしはし鷹の
人の手にありと聞くはまことか
- 歌の意味
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私には手元に置きにくかったはし鷹が、今はほかの人の手にあると聞くのは本当か。
- 鑑賞
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巻第十七 雑歌三 1215
詞書「女のいとくらべがたく侍りけるを、あひ離れにけるが、異人に迎へられぬと聞きて、男のつかはしける」
私には手元に置きにくかったはし鷹が、人の手にあると聞くのは本当か、と詠んだ歌である。扱いにくかった女を、手に据えにくいはし鷹にたとえ、ほかの男に迎えられたと聞いた驚きと未練を表している。
詞書によれば、たいそう付き合いにくかった女と別れたが、その女が別の男に迎えられたと聞いて、男が送った歌である。
作者は「よみ人しらず」で、詠み手の名は伝わらない。
初句「我がために」は、私にとっては、の意である。
二句「置きにくかりし」は、手元に置いておきにくかった、の意で、鷹を手に据えておくことと、女を妻としておくことを重ねている。
三句「はし鷹の」は、はし鷹が、の意で、鷹狩りに用いた小型の鷹に女をたとえている。
四句「人の手にありと」は、ほかの人の手にあると、の意で、字余りとなっている。「手」は鷹を据える手と縁語をなしている。
結句「聞くはまことか」は、聞くのは本当か、の意で、驚きをこめて問いかけている。
はしたか:鷹狩りに用いた小型の鷹
くらぶ:付き合う、交わる
- 作者
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よみ人しらず
- 出典
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後撰和歌集
- 前の歌
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睦ましき妹背の山の中にさへ 隔つる雲の晴れずもあるかな
- 次の歌
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声に立てて言はねどしるしくちなしの 色は我がためうすきなりけり