いづこにも身をば離れぬ影しあれば
臥す床ごとに一人やは寝る
- 歌の意味
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どこにいても身から離れない影があるのだから、横になる床ごとに、どうして一人で寝ることがあろうか。
- 鑑賞
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巻第十七 雑歌三 1228
詞書「定めたる妻も侍らず一人臥しをのみすと、女友だちのもとより戯れて侍りければ」
どこでも身を離れない影があるので、寝る床ごとに一人で寝ることなどあろうか、と詠んだ歌である。決まった妻もなく独り寝ばかりしていると女友だちにからかわれ、いつも寄り添う影がいるのだから独りではないと、機知で切り返している。
詞書によれば、決まった妻もなく独り寝ばかりしていると、女友だちのもとから戯れて言ってきたので詠んだ歌である。
作者は「よみ人しらず」で、詠み手の名は伝わらない。
初句「いづこにも」は、どこにいても、の意である。
二句「身をば離れぬ」は、身から離れない、の意である。
三句「影しあれば」は、影があるので、の意で、「し」は強意の副助詞、「ば」は原因、理由を表す。字余りとなっている。
四句「臥す床ごとに」は、横になる床ごとに、の意である。
結句「一人やは寝る」は、どうして一人で寝ることがあろうか、の意で、「やは」は反語の係助詞で、連体形「寝る」で結ぶ係り結びとなっている。
ひとりぶし:独り寝
め:妻
- 作者
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よみ人しらず
- 出典
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後撰和歌集
- 前の歌
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道なれるこのみ尋ねて心ざし ありと見るにぞねをばましける
- 次の歌
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風霜に色も心も変はらねば 主に似たる植ゑ木なりけり