子の日する野辺に小松のなかりせば
千代のためしに何をひかまし
- 歌の意味
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子の日の遊びをする野辺に小松がなかったならば、千年の長寿のためしとして、何を引けばよいだろうか。
- 鑑賞
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巻第一 春歌 23
詞書「題しらず」
正月の子の日に野辺で小松を引く行事を詠み、もし小松がなかったら千年の長寿の例として何を引けばよいのかと、小松の大切さを反実仮想で強調する。小松を引く行為と、長寿の例を引くことを重ねた機知の歌である。
作者の「たたみね」は壬生忠岑である。古今和歌集の撰者の一人で、三十六歌仙に数えられ、壬生忠見の父である。
初句「子の日する」は、正月の初子の日に野に出て小松を引き若菜を摘む遊びをすることをいい、前歌の初子の日を受ける。
二句「野辺に小松の」は、根ごと引き抜いて長寿を祝う小松を示す。
三句「なかりせば」は反実仮想の条件で、結句の「まし」と呼応する。
四句「千代のためしに」は、千年の長寿の手本としての意で、松の長寿にちなむ。
結句「何をひかまし」は、小松を「引く」意と、例として「引く」意を掛けた掛詞である。反実仮想の「まし」で結ぶ。
ねのひ:正月最初の子の日。野に出て小松を引き、若菜を摘んで長寿を祈った
ひく:小松を根ごと引き抜く意と、例として引き合いに出す意を掛ける
ためし:手本となる例
- 作者
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壬生忠岑
- 出典
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拾遺和歌集
- 前の歌
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松の上に鳴く鶯の声をこそ はつねの日とは言ふべかりけれ
- 次の歌
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千歳まで限れる松も今日よりは 君にひかれて万代や経む