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摘みたむることのかたきは鶯の
声する野辺の若菜なりけり

歌の意味
摘んで集めることが難しいのは、鶯の声のする野辺の若菜であった。
鑑賞
巻第一 春歌 26

詞書「題しらず」
 鶯の鳴く声に聞き入ってしまい、なかなか手が進まないので、鶯の鳴く野辺の若菜は摘みためるのが難しいと詠む。若菜摘みと鶯の声という春の二つの楽しみを重ねた歌である。

 初句「摘みたむる」は、摘んで集める意である。
 二句「ことのかたきは」は、難しいことは、の意で、謎かけのように答えを結句まで引き延ばす。
 三句「鶯の」は、若菜摘みを妨げるものとして鶯を登場させる。
 四句「声する野辺の」は、鶯の鳴く声が聞こえる野辺の意である。
 結句「若菜なりけり」は、本巻の第二十首と同じ結句で、「けり」が気づきの詠嘆を表す。

つみたむ:摘んで集める。摘みためる
作者
よみ人しらず
出典
拾遺和歌集
前の歌
梅の花まだ散らねども行く水の 底にうつれる影ぞ見えける
次の歌
梅の花よそながら見む吾妹子が とがむばかりの香にもこそしめ