山吹の花の盛りに井手に来て
この里人になりぬべきかな
- 歌の意味
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山吹の花の盛りに井手に来て、このままこの里の人になってしまいそうだ。
- 鑑賞
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巻第一 春歌 69
詞書「井手といふ所に、山吹の花のおもしろく咲きたるを見て」
山吹の花盛りに井手を訪れて、そのあまりの美しさに、このままこの里の住人になってしまいそうだと詠む。名所の花に心を奪われ、立ち去りがたい思いを率直に表している。詞書によれば、井手という所で山吹の花が見事に咲いているのを見て詠んだ歌である。
作者の「恵慶法師」は平安時代中期の僧で、播磨国の講師を務めたとも伝えられる。中古三十六歌仙の一人に数えられる。
初句「山吹の」は、前歌の結句「山吹の花」を受けて歌い起こす。
二句「花の盛りに」は、山吹の花盛りの時を示す。
三句「井手に来て」は、前歌と同じく山吹の名所井手を詠む。
四句「この里人に」は、この井手の里の住人に、の意である。
結句「なりぬべきかな」は、「ぬべし」が強い推量を表し、なってしまいそうだ、の意で、「かな」の詠嘆で結ぶ。
さとびと:その土地に住む人
- 作者
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恵慶
- 出典
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拾遺和歌集
- 前の歌
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春深み井手の川波立ち返り 見てこそ行かめ山吹の花
- 次の歌
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物も言はで眺めてぞ経る山吹の 花に心ぞうつろひぬらん