郭公をちかへり鳴けうなゐ子が
うち垂れ髪のさみだれの空
- 歌の意味
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ほととぎすよ、繰り返し鳴け。幼子の垂らした髪が乱れるように、降り乱れる五月雨の空に。
- 鑑賞
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巻第二 夏歌 116
詞書「貞文が家の歌合に」
五月雨の降る空に、ほととぎすよ繰り返し鳴けと呼びかける歌である。下の句では、幼子の垂らした髪が乱れるさまから五月雨を導き出し、雨の降りしきる空を印象的に描いている。詞書によれば、平貞文の家で催された歌合に出された歌である。
作者の「みつね」は凡河内躬恒である。古今和歌集の撰者の一人で、紀貫之と並び称された。三十六歌仙に数えられる。
初句「郭公」は、ほととぎすへの呼びかけである。
二句「をちかへり鳴け」は、繰り返し鳴け、の意で、命令の形で呼びかける。ここで句切れとなる。
三句「うなゐ子が」は、髪を首のあたりで切りそろえて垂らした幼い子が、の意である。
四句「うち垂れ髪の」は、垂らした髪の、の意で、三句とともに、髪が乱れる意から結句の「さみだれ」を導く序詞となる。
結句「さみだれの空」は、「さみだれ」に髪の乱れる意と五月雨の意を掛けた掛詞で、体言止めとなる。本巻の第百八首で近づいたとされた五月雨が、ここで降りしきる空として詠まれ、次歌以下の第百十七首、第百十八首へと五月雨の歌が続く。
をちかへる:繰り返す。若返る
うなゐご:髪を首のあたりで切りそろえて垂らした幼い子
さみだれ:陰暦五月に降り続く長雨の意と、髪が乱れる意を掛ける
- 作者
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凡河内躬恒
- 出典
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拾遺和歌集
- 前の歌
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かの方にはや漕ぎ寄せよ郭公 道に鳴きつと人に語らん
- 次の歌
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鳴けや鳴け高田の山の郭公 この五月雨に声な惜しみそ