かりにとて来べかりけりや秋の野の
花見るほどに日も暮れぬべし
- 歌の意味
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狩りをするといって、ほんの仮そめのつもりで来てよかったものだろうか。秋の野の花を見ているうちに、日も暮れてしまいそうだ。
- 鑑賞
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巻第三 秋歌 163
詞書「斎院屏風に」
狩りのためにほんの仮そめのつもりで来たのに、秋の野の花の美しさに見とれているうちに日も暮れてしまいそうだと詠む歌である。狩りに来た目的を忘れるほど、秋の野の花に心を奪われるさまを表している。詞書によれば、斎院の屏風に添えた歌である。
初句「かりにとて」は、「かり」に狩りの意と、仮にの意を掛けた掛詞である。本歌から第百六十六首まで、「かり」を掛詞とする歌が続く。
二句「来べかりけりや」は、来てよかったものだろうか、の意で、「べかり」は当然や適当を表し、「や」は疑問を表す。ここで句切れとなる。
三句「秋の野の」は、秋の草花が咲く野をいう。
四句「花見るほどに」は、花を見ているうちに、の意である。
結句「日も暮れぬべし」は、日も暮れてしまいそうだ、の意で、「ぬべし」は強い推量を表す。
かり:狩りの意と、仮そめの意を掛ける
さいゐん:賀茂神社に奉仕した未婚の皇女。斎院
- 作者
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よみ人しらず
- 出典
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拾遺和歌集
- 前の歌
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荻の葉もややうちそよぐほどなるを など雁がねの音なかるらん
- 次の歌
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秋の野の花の名立てに女郎花 かりにのみ来ん人に折らるな