荻の葉もややうちそよぐほどなるを
など雁がねの音なかるらん
- 歌の意味
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荻の葉もだんだんとそよぎ始める頃になったのに、どうして雁の鳴く声が聞こえないのだろうか。
- 鑑賞
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巻第三 秋歌 162
詞書「八月ばかりに、雁の声待つ歌詠み侍りけるに」
荻の葉も秋風にそよぎ始める頃になったのに、どうして雁の声がまだ聞こえないのだろうと、初雁の声を待ちわびる歌である。荻の葉音に秋の深まりを感じつつ、次に訪れるはずの雁の声を待つ心を表している。詞書によれば、八月頃、雁の声を待つという趣で詠んだ歌である。
作者の「恵慶法師」は、平安時代中期の僧、歌人である。河原院に住んだ安法法師のもとに集まった歌人たちと交流した。中古三十六歌仙に数えられる。
初句「荻の葉も」は、荻の葉も、の意で、本巻の第百三十九首で秋風の訪れを告げた荻の葉のそよぎを受ける。
二句「ややうちそよぐ」は、だんだんとそよぎ始める、の意で、「うち」は接頭語である。
三句「ほどなるを」は、頃であるのに、の意で、「を」は逆接の接続助詞である。
四句「など雁がねの」は、どうして雁の、の意である。本歌で雁が詠まれ、次歌以下では「かり」の語が狩りや仮の意を響かせる歌が続く。
結句「音なかるらん」は、声がないのだろうか、の意で、「らん」は原因推量の助動詞である。
かりがね:雁。また雁の鳴く声。雁が音
- 作者
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恵慶
- 出典
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拾遺和歌集
- 前の歌
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日暮らしに見れども飽かぬ女郎花 野辺にや今宵旅寝しなまし
- 次の歌
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かりにとて来べかりけりや秋の野の 花見るほどに日も暮れぬべし