あしひきの山辺にをれば白雲の
いかにせよとかはるる時なき
- 歌の意味
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山辺に住んでいると、白雲は、私にどうせよというのか、晴れる時もない。
- 鑑賞
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巻第七 物名 380
詞書「よどかは」
山辺に住んでいると、白雲は自分にどうせよというのか、晴れる時もないと詠む歌である。晴れることのない山の雲に、晴れない心を重ね、四句から結句にかけての「よとかは」の音の続きに、詞書の「淀川」の名を隠している。詞書の「よどかは」は、この歌に詠み込まれた物の名である。
作者の「つらゆき」は紀貫之である。古今和歌集の撰者の中心人物で、仮名序を執筆し、土佐日記を著した。三十六歌仙に数えられる。
初句「あしひきの」は、山にかかる枕詞である。
二句「山辺にをれば」は、山のあたりにいると、の意で、已然形に「ば」がついている。
三句「白雲の」は、白雲が、の意である。
四句「いかにせよとか」は、どうせよというのか、の意で、「か」は疑問の係助詞である。前歌の「見よとかは」と同じく、「よとか」と結句の頭の「は」とを続けて「よどがは」の名を隠している。
結句「はるる時なき」は、晴れる時もない、の意で、係助詞「か」を受けて連体形「なき」で結ぶ。
よどがは:淀川。「せよとか晴るる」の音の続きに隠して詠み込む
- 作者
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紀貫之
- 出典
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拾遺和歌集
- 前の歌
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植ゑて去にし人も見なくに秋萩の 誰見よとかは花の咲きけむ
- 次の歌
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筑紫よりここまで来れどつともなし 太刀のをかはのはしのみぞある