池をはりこめたる水の多かれば
井樋の口よりあまるなるべし
- 歌の意味
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池に満々と張り込めた水が多いので、井樋の口からあふれ出るのにちがいない。
- 鑑賞
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巻第七 物名 395
詞書「をはりこめ」
池に満々と張り込めた水が多いので、井樋の口からあふれ出るにちがいないと詠む歌である。あふれる池の水の景を理屈で詠み、初句から二句にかけての「をはりこめ」の音の続きに、詞書の「尾張米」の名を隠している。詞書の「をはりこめ」は、この歌に詠み込まれた物の名である。
作者の「すけみ」は藤原輔相である。藤原弘経の子で、藤六と呼ばれた平安時代中期の歌人である。物名の歌を得意とし、家集に藤六集がある。
初句「池をはり」は、池に水を張って、の意である。二句の頭の「こめ」と続けて「をはりこめ」の名を隠している。
二句「こめたる水の」は、こめた水が、の意である。前歌の練柿に続き、食べ物の名が詠まれる。
三句「多かれば」は、多いので、の意で、已然形に「ば」がついて理由を表す。
四句「井樋の口より」は、水を通す井樋の口から、の意である。
結句「あまるなるべし」は、あふれ出るのにちがいない、の意で、「なる」は断定、「べし」は推量の助動詞である。
をはりこめ:尾張米。尾張国から産する米。「池を張りこめ」の音の続きに隠して詠み込む
いひ:水を引き入れたり流し出したりする樋。井樋
はりこむ:水などを満たし入れる
- 作者
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藤原輔相
- 出典
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拾遺和歌集
- 前の歌
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いにしへはおごれりしかどわびぬれば とねりがきぬも今は着つべし
- 次の歌
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あしひきの山下水に濡れにけり その火まづたけ衣あぶらん