今日までと見るに涙のますかがみ
馴れにし影を人に語るな
- 歌の意味
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今日が最後だと見ていると涙が増してくる真澄の鏡よ、長年見慣れた私の姿を、ほかの人に語らないでおくれ。
- 鑑賞
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巻第八 雑歌上 469
詞書「大江為基がもとに、売りにまうで来たりける鏡の包みたりける紙に書き付けて侍りける」
今日が見納めだと見ていると涙が増してくる鏡よ、見慣れた私の姿を人に語らないでほしいと詠む歌である。詞書から、大江為基のもとに売りに来た鏡を包んだ紙に書き付けてあった歌とわかる。長年使い慣れた鏡を手放す人の悲しみを、鏡に呼びかける形で表している。本巻の第四百三十四首の作者大江為基が、ここでは鏡を買う人として詞書に登場している。
初句「今日までと」は、今日までが最後だと、の意である。
二句「見るに涙の」は、見ていると涙が、の意である。
三句「ますかがみ」は、よく澄んだ鏡、の意で、「ます」は涙が「増す」意と「真澄鏡」とを掛けた掛詞である。ここで句切れとなる。
四句「馴れにし影を」は、長年見慣れた姿を、の意で、「影」は鏡に映った自分の姿をいう。
結句「人に語るな」は、ほかの人に語らないでおくれ、の意で、「な」は禁止の終助詞である。鏡を人に見立てて呼びかけている。
ますかがみ:よく澄んだ鏡。涙が「増す」を掛ける
かげ:鏡に映った姿
- 作者
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よみ人しらず
- 出典
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拾遺和歌集
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葦間より見ゆる長柄の橋柱 昔の跡のしろべなりけり
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