- 歌の意味
- 移ろいやすく定めのない夏の草葉に置く露を、命の綱と頼みにしている蝉のはかなさよ。
- 鑑賞
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巻第四 夏歌 193
詞書「題しらず」
定めのない夏の草葉に置く露を、命の綱と頼みにしている蝉のはかなさを詠んだ歌である。すぐに消える露を頼りに生きる短命な蝉に、世の無常を見ている。
作者は「よみ人しらず」で、詠み手の名は伝わらない。
初句「常もなき」は、常住不変ではない、移ろいやすい、の意で、無常の思いを示している。
二句「夏の草葉に」は、夏の草の葉に、の意である。
三句「置く露を」は、草葉に置く露を、の意で、すぐに消えるはかないものを示している。
四句「命と頼む」は、命の綱と頼みにする、の意で、蝉が露を吸って生きると考えられていたことを踏まえている。
結句「蝉のはかなさ」は体言止めで、短命な蝉のはかなさに焦点を結んでいる。前歌の第百九十二首に続き、蝉を詠んでいる。
つねなし:常住不変でない、無常である
- 作者
- よみ人しらず
- 出典
- 後撰和歌集
- 前の歌
- うちはへて音を泣き暮らす空蝉の むなしき恋も我はするかな
- 次の歌
- 八重葎茂き宿には夏虫の 声より外に訪ふ人もなし