年月は昔にあらず成りゆけど
恋しきことは変はらざりけり
- 歌の意味
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年月は昔のままではなく移り変わっていくけれども、恋しく思う気持ちだけは変わらないことだ。
- 鑑賞
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巻第八 雑歌上 471
詞書「題しらず」
年月は昔とは違って移り変わっていくけれども、恋しく思う気持ちは変わらないと詠む歌である。変わりゆく時の流れと、変わらない心とを対比させ、過ぎ去った人や日々をしのぶ思いの深さを表している。前歌の第四百七十首の再会を誓う別れの歌に続き、年月を隔てても変わらない思いを詠んでいる。
作者の「つらゆき」は紀貫之である。古今和歌集の撰者の中心人物で、仮名序を執筆し、土佐日記を著した。三十六歌仙に数えられる。
初句「年月は」は、年月は、の意である。
二句「昔にあらず」は、昔のままではなく、の意である。
三句「成りゆけど」は、移り変わっていくけれども、の意で、「ど」は逆接の接続助詞である。
四句「恋しきことは」は、恋しく思う気持ちは、の意で、上の句の変わる年月に対して、変わらない心を置いている。
結句「変はらざりけり」は、変わらないことだ、の意で、「けり」は気づきの詠嘆を表す。本巻の第四百五十四首の「まさらざりけり」と同じく、「ざりけり」で結ばれている。
なりゆく:しだいに変わっていく
- 作者
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紀貫之
- 出典
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拾遺和歌集
- 前の歌
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忘るなよほどは雲居に成りぬとも 空行く月の巡り逢ふまで
- 次の歌
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昔我が折りし桂のかひもなし 月の林の召しに入らねば