恋と言へば同じ名にこそ思ふらめ
いかで我が身を人に知らせん
- 歌の意味
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恋と言えば、誰の恋も同じ名で呼ばれるものと、あの人は思っているのだろう。どうにかして、私の思いの深さを、あの人に知らせたいものだ。
- 鑑賞
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巻第十一 恋歌一 677
詞書は前の歌に続き「題しらず」
恋と言えば誰の恋も同じ名で呼ばれるので、あの人は私の恋も世間並みのものと思っているだろう、なんとかして自分の思いの深さを知らせたいと詠む歌である。「恋」という一つの言葉では言い尽くせない、自分だけの思いの深さを伝えたいもどかしさを表している。第六百六十首が恋を何にたとえて伝えようかと嘆いたのと通い合い、第六百三十五首の「君に知らせむ」と同じく知らせたい心を詠む。
初句「恋と言へば」は、恋と言えば、の意である。
二句「同じ名にこそ」は、同じ名で、の意で、係助詞「こそ」は三句の「らめ」で結ぶ係り結びである。
三句「思ふらめ」は、思っているだろう、の意で、「らめ」は現在推量の助動詞「らむ」の已然形である。ここで句切れとなる三句切れの歌である。
四句「いかで我が身を」は、なんとかして我が身を、の意で、「いかで」は結句の「ん」と呼応して願望を表す。
結句「人に知らせん」は、あの人に知らせたい、の意で、第六百三十五首の結句「君に知らせむ」と同じ言い回しである。
な:名。呼び名
- 作者
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よみ人しらず
- 出典
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拾遺和歌集
- 前の歌
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人知れず落つる涙は津の国の ながすと見えて袖ぞ朽ちぬる
- 次の歌
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逢ふことの絶えてしなくはなかなかに 人をも身をも恨みざらまし