立ち寄りて見るべき人のあればこそ
秋の林に錦敷くらめ
- 歌の意味
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立ち寄って見るはずの人がいるからこそ、秋の林に錦を敷いているのだろう。
- 鑑賞
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巻第七 秋歌下 408
詞書「題しらず」
立ち寄って見るはずの人がいるからこそ、秋の林は錦を敷きつめているのだろうと詠んだ歌である。林の下に散り敷いた紅葉を、訪れる人をもてなすために敷いた錦に見立てている。
前歌が夜に散る紅葉の音を詠んだのに対し、本歌は散り敷いた紅葉を錦と見ている。次歌も木の下に積もる紅葉を錦に見立てている。
作者は「よみ人しらず」で、詠み手の名は伝わらない。
初句「立ち寄りて」は、立ち寄って、の意である。
二句「見るべき人の」は、見るはずの人が、の意である。
三句「あればこそ」は、いるからこそ、の意で、「こそ」は強めの係助詞である。
四句「秋の林に」は、秋の林に、の意である。次歌の四句「雲の林の」と「林」の語を共有している。
結句「錦敷くらめ」の「らめ」は推量の助動詞「らむ」の已然形で、三句の「こそ」と係り結びをなし、錦を敷いているのだろう、の意である。
しく:敷く、一面に広げる
- 作者
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よみ人しらず
- 出典
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後撰和歌集
- 前の歌
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秋の夜に雨と聞こえて降りつるは 風に乱るる紅葉なりけり
- 次の歌
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木のもとに織らぬ錦の積もれるは 雲の林の紅葉なりけり