- 歌の意味
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このごろは五月雨の季節が近いので、ほととぎすは思い乱れて、鳴かない日とてない。
- 鑑賞
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巻第四 夏歌 163
詞書「題しらず」
五月雨の季節が近づいたこのごろ、ほととぎすが思い乱れて毎日鳴いていると詠んだ歌である。五月雨の「みだれ」を響かせて思い乱れる心を導き、鳴き続けるほととぎすに物思いを重ねている。
作者は「よみ人しらず」で、詠み手の名は伝わらない。
初句「この頃は」は、このごろは、の意で、五月が近づいた時期を示す。
二句「五月雨近み」は、五月雨の季節が近いので、の意で、ミ語法により理由を表す。本巻の第二百八首の「秋近み」と同じ形で、夏の初めと終わりを対照させている。
三句「郭公」は、五月に盛んに鳴く鳥として置かれている。
四句「思ひ乱れて」は、五月雨の「みだれ」と音を響かせ、思い乱れる心を表している。
結句「鳴かぬ日ぞなき」は、鳴かない日はない、の意で、二重否定によって毎日鳴くことを強めている。「ぞ」は係助詞で、連体形「なき」と係り結びをなす。
さみだれ:陰暦五月ごろに降り続く長雨、梅雨
- 作者
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よみ人しらず
- 出典
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後撰和歌集
- 前の歌
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木綿だすきかけても言ふな あだ人のあふひてふ名は禊にぞせし
- 次の歌
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待つ人は誰ならなくにほととぎす 思ひのほかに鳴かばうからん