住吉の松ならねども久しくも
君と寝ぬ夜のなりにけるかな
- 歌の意味
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住吉の松ではないけれども、久しくなったことだ、あなたと共に寝ない夜が。
- 鑑賞
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巻第十二 恋歌二 740
詞書「忠房が娘のもとに、久しくまからでつかはしける」
住吉の松ではないが、あなたと共寝をしない夜が久しくなってしまったと詠む歌である。詞書から、藤原忠房の娘のもとを長く訪ねずにいて贈った歌とわかる。長寿の象徴である住吉の松を引き合いに出し、久しく訪れなかったことを詫びつつ、変わらぬ思いを伝えている。次歌の第七百四十一首は、この歌に対する返しである。
作者の「大納言きよかけ」は源清蔭である。陽成天皇の皇子で、臣籍に降って源の姓を賜り、大納言に至った。
初句「住吉の」は、摂津国の住吉の、の意で、前歌の第七百三十九首の三句「住の江の」と同じ地である。次歌の第七百四十一首の三句「住吉の」と同じ語である。
二句「松ならねども」は、松ではないけれども、の意で、住吉の松は久しいものの象徴とされた。
三句「久しくも」は、久しくも、の意で、次歌の第七百四十一首の初句「久しくも」と同じ句である。
四句「君と寝ぬ夜の」は、あなたと共に寝ない夜が、の意である。
結句「なりにけるかな」は、なってしまったことだ、の意で、「に」は完了、「ける」は過去、「かな」は詠嘆を表す。
すみよし:住吉。摂津国の歌枕。松の名所
- 作者
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源清蔭
- 出典
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拾遺和歌集
- 前の歌
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忍びつつ思へば苦し住の江の 松の根ながら現れなばや
- 次の歌
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久しくも思ほえねども住吉の 松や二たび生ひかはるらん