数ならぬ身をうち河の網代木に
多くのひをも過ぐしつるかな
- 歌の意味
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取るに足らない我が身をつらいと思いながら、宇治川の網代木に氷魚がかかるのを待つように、多くの日々を過ごしてしまったことよ。
- 鑑賞
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巻第十三 恋歌三 843
詞書は前の歌に続き「女の許につかはしける」
取るに足らない身をつらく思いながら、宇治川の網代に氷魚がかかるのを待つように、多くの日を過ごしてしまったと詠む歌である。詞書から、女のもとに贈った歌とわかる。網代で氷魚を待つ冬の宇治川の景に、女の心がなびくのを空しく待ち続けた月日を重ねている。
初句「数ならぬ」は、取るに足らない、の意である。
二句「身をうち河の」は、「うち」が身を「憂」しと思う意と、山城の歌枕の「宇治」川を掛ける掛詞である。
三句「網代木に」は、網代を支える杭に、の意である。網代は宇治川の冬の名物で、氷魚を捕るために設けた。
四句「多くのひをも」は、「ひを」が「日を」と、網代で捕る「氷魚」を掛ける掛詞である。
結句「過ぐしつるかな」は、過ごしてしまったことよ、の意で、「つる」は完了の助動詞「つ」の連体形、「かな」は詠嘆を表す。
うぢかは:身を「憂し」と思う意と、山城の歌枕の「宇治」川を掛ける
あじろぎ:網代木。川に竹や木を編んで仕掛け、魚を捕る網代を支える杭
ひを:「日を」と、鮎の稚魚の「氷魚」を掛ける
- 作者
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よみ人しらず
- 出典
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拾遺和歌集
- 前の歌
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色もなき心を人に染めしより 移ろはむとは我が思はなくに
- 次の歌
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下紅葉するをば知らで松の木の 上の緑を頼みけるかな