古里の奈良思の岡に郭公
言伝てやりきいかに告げきや
- 歌の意味
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古い都の奈良思の岡にいるほととぎすに、言伝てを託してやった。どのように伝えただろうか。
- 鑑賞
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巻第十六 雑春歌 1077
詞書「坂上郎女に遣はしける」
古い都の奈良思の岡のほととぎすに言伝てを託したが、どのように伝えただろうかと詠む歌である。詞書から、大伴坂上郎女のもとへ送った歌とわかる。ほととぎすを使いとして思いを託し、それが相手にどう届いたかを気づかう心を、問いかけの形で伝えている。
作者の大伴像見は、奈良時代の官人で、万葉集に歌を残している。坂上郎女は大伴安麻呂の娘で、大伴旅人の異母妹にあたり、万葉集を代表する女性歌人の一人である。
万葉集巻八に、ほぼ同じ形の歌が見える。
初句「古里の」は、古い都の、の意で、かつての都の地をいう。
二句「奈良思の岡に」は、奈良思の岡にいる、の意で、大和国の地名である。
三句「郭公」は、ほととぎすに、の意で、ほととぎすの歌が続いている。
四句「言伝てやりき」は、言伝てを託してやった、の意で、「き」は過去の助動詞である。ここで句切れとなる四句切れの歌である。
結句「いかに告げきや」は、どのように伝えただろうか、の意で、「や」は疑問を表す。
ことづて:言伝て。人に託して伝える言葉
ならしのをか:奈良思の岡。大和国の地名
- 作者
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大伴像見
- 出典
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拾遺和歌集
- 前の歌
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あしひきの山郭公里なれて たそかれ時に名のりすらしも
- 次の歌
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夜もすがら燃ゆる蛍を今朝見れば 草の葉ごとに露ぞ置きける