水の面の深く浅くも見ゆるかな
紅葉の色や淵瀬なるらん
- 歌の意味
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水面が深くも浅くも見えることだなあ。紅葉の色の濃い薄いが、そのまま淵と瀬になっているのだろうか。
- 鑑賞
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巻第十七 雑秋歌 1132
詞書「斎院御屏風に」
水面が深くも浅くも見えるのは、浮かぶ紅葉の色の濃い薄いが、そのまま淵や瀬のように見えるからだろうかと詠む歌である。詞書から、賀茂の斎院の屏風に添えた歌とわかる。紅葉の色の濃淡を、川の深い淵と浅い瀬に見立てている。
作者の「みつね」は凡河内躬恒である。古今和歌集の撰者の一人で、三十六歌仙に数えられる。
初句「水の面の」は、水面が、の意で、六音の字余りの句である。本巻の第千百七首の初句「水の面に」と同じ語を共有している。
二句「深く浅くも」は、深くも浅くも、の意で、深さと浅さを対にしている。本巻の第千百二十七首の四句「濃さも薄さも」と、色の濃淡を対にする趣向が通じている。
三句「見ゆるかな」は、見えることだなあ、の意で、「かな」は詠嘆の終助詞である。ここで句切れとなる三句切れの歌である。
四句「紅葉の色や」は、紅葉の色が、の意で、「や」は疑問の係助詞である。
結句「淵瀬なるらん」は、淵や瀬になっているのだろうか、の意で、「らん」は現在推量の助動詞の連体形で、四句の「や」を受けた係り結びである。前歌の第千百三十一首の四句「淵の緑も」と淵を共有している。
ふちせ:淵瀬。川の深い所と浅い所
- 作者
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凡河内躬恒
- 出典
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拾遺和歌集
- 前の歌
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紅葉葉の流るる時は竹川の 淵の緑も色変はるらむ
- 次の歌
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月影の田上川に清ければ 網代に氷魚のよるも見えけり