紅葉葉や袂なるらん神無月
時雨るるごとに色のまされば
- 歌の意味
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紅葉の葉が、あなたの袂となっているのだろうか。十月の時雨が降るたびに、その紅の色がまさってゆくので。
- 鑑賞
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巻第十七 雑秋歌 1140
詞書「冬、親の喪にあひて侍りける法師のもとに遣はしける」
時雨が降るたびに色がまさる紅葉の葉は、あなたの袂となっているのだろうかと詠む歌である。詞書から、冬に、親の喪に服している法師のもとへ送った歌とわかる。時雨に涙を、時雨に色を深める紅葉に、悲しみの紅の涙に染まる袂を重ね、親を失った法師の悲しみを思いやっている。
作者の「みつね」は凡河内躬恒である。古今和歌集の撰者の一人で、三十六歌仙に数えられる。
初句「紅葉葉や」は、紅葉した葉が、の意で、「や」は疑問の係助詞であり、二句の「らん」と呼応して係り結びとなる。
二句「袂なるらん」は、袂となっているのだろうか、の意で、「らん」は現在推量の助動詞の連体形である。ここで句切れとなる二句切れの歌である。
三句「神無月」は、陰暦十月で、本巻の第千百三十八首の三句「神無月」と同じ語を共有している。
四句「時雨るるごとに」は、時雨が降るたびに、の意で、時雨に悲しみの涙を重ねている。前の第千百三十八首、第千百三十九首と、時雨を詠む歌が続いている。
結句「色のまされば」は、色がまさるので、の意で、「ば」は已然形について原因を表す。二句の理由を倒置して添え、悲しみの涙で袂が紅に染まることを表している。
さう:喪。人の死後、一定の期間、身を慎んで過ごすこと
たもと:袂。袖
- 作者
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凡河内躬恒
- 出典
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拾遺和歌集
- 前の歌
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名を聞けば昔ながらの山なれど 時雨るる頃は色変はりけり
- 次の歌
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時雨つつふりにし宿の言の葉は かきあつむれど止まらざりけり