あしひきの山ゐに摺れる衣をば
神に仕ふるしるしとぞ思ふ
- 歌の意味
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山藍で摺り染めにした衣を、神にお仕えする証しと思うことだ。
- 鑑賞
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巻第十七 雑秋歌 1149
詞書「右大臣恒佐家屏風に、臨時祭描きたる所に」
山藍で摺り染めにした衣を、神にお仕えする証しと思うと詠む歌である。詞書から、右大臣藤原恒佐の家の屏風に、臨時の祭のさまを描いた所に添えた歌とわかる。祭に奉仕する人々がまとう山藍摺りの衣に、神事の清らかさと尊さを見ている。
作者の「つらゆき」は紀貫之である。古今和歌集の撰者の中心人物で、仮名序を執筆し、土佐日記を著した。三十六歌仙に数えられる。
初句「あしひきの」は、「山」にかかる枕詞である。本巻の第千百四十七首の三句「あしひきの」と同じ語である。
二句「山ゐに摺れる」は、山藍で摺り染めにした、の意で、「る」は存続の助動詞「り」の連体形である。本巻の第千百四十七首の四句「山ゐの水は」と同じ語を共有している。
三句「衣をば」は、衣を、の意で、「をば」は「を」を強めた言い方である。
四句「神に仕ふる」は、神にお仕えする、の意である。
結句「しるしとぞ思ふ」は、証しと思う、の意で、係助詞「ぞ」を受けて連体形「思ふ」で結ぶ係り結びである。
やまゐ:山藍。山野に生える草で、葉の汁を摺り染めに用いた
りんじのまつり:臨時祭。例祭のほかに臨時に行われる祭
- 作者
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紀貫之
- 出典
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拾遺和歌集
- 前の歌
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有明の心地こそすれさかづきに 日かげも添ひて出でぬと思へば
- 次の歌
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ちはやぶる神の斎垣に雪降りて 空よりかかる木綿にぞありける