- 歌の意味
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ぬばたまのように黒かった私の黒髪に、年が暮れて、鏡に映る姿には、白雪が降り積もっていることだ。
- 鑑賞
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巻第十七 雑秋歌 1158
詞書「師走の晦日方に、年の老いぬることを嘆きて」
黒かった我が黒髪にも年が暮れて、鏡に映る姿には白雪が降り積もっていると詠む歌である。詞書から、十二月の末頃に、年老いてしまったことを嘆いて詠んだ歌とわかる。黒髪と白雪の色を対比し、年の暮れに鏡に映る白髪を、降り積もった雪に見立てて、老いの嘆きを表している。
本巻の巻末の歌である。巻頭の第千八十二首が七夕の祭りを詠み始めたのに対し、巻末のこの歌は一年の終わりに老いを嘆いて結び、本巻は年に一度の七夕で始まり、年の暮れで閉じている。本巻の第千百五十三首の元結に降る雪とも、髪に降る雪を詠む点で呼応している。
作者の「つらゆき」は紀貫之である。古今和歌集の撰者の中心人物で、仮名序を執筆し、土佐日記を著した。三十六歌仙に数えられる。
初句「むばたまの」は、「黒」にかかる枕詞である。
二句「我が黒髪に」は、私の黒髪に、の意で、結句の「白雪」と、黒と白の色で対をなしている。
三句「年暮れて」は、年が暮れて、の意で、年の暮れと、我が身が年老いたこととを重ねている。
四句「鏡の影に」は、鏡に映る姿に、の意である。
結句「降れる白雪」は、降り積もっている白雪、の意で、白髪を雪に見立てている。「る」は存続の助動詞「り」の連体形で、体言止めで結んでいる。本巻の第千百五十三首の二句「降り添ふ雪の」と、髪に降る雪を詠む点で呼応している。
かげ:影。鏡などに映る姿
- 作者
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紀貫之
- 出典
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拾遺和歌集
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梅もみな春近しとて咲くものを 待つ時もなき我や何なる
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昨日よりをちをば知らず百年の 春の始めは今日にぞありける