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今日かとも明日とも知らぬ白菊の
知らず幾世を経べき我が身ぞ

歌の意味
今日散るのか明日散るのかもわからない白菊のように、これから幾世を過ごせるのかもわからない我が身であることだ。
鑑賞
巻第十九 雑恋 1257

詞書「女の許に菊を折りて遣はしける」
 今日散るのか明日散るのかもわからない白菊のように、幾世を過ごせるのかもわからない我が身であると詠む歌である。詞書から、女のもとに菊を折って送った歌とわかる。長寿を祝う花とされる菊を贈りながら、自分の命は移ろう菊の花のようにはかないと述べ、だからこそ今のうちに心を許してほしいという思いをこめている。

 初句「今日かとも」は、今日であるのかとも、の意で、散る日がいつかわからないことをいう。
 二句「明日とも知らぬ」は、明日であるのかもわからない、の意である。
 三句「白菊の」は、白い菊の、の意で、詞書の折り取った菊をいう。「しら」の音で、四句の「知らず」を導いている。
 四句「知らず幾世を」は、わからない、幾世を、の意で、二句の「知らぬ」を重ねている。
 結句「経べき我が身ぞ」は、過ごすことのできる我が身であることだ、の意で、「べき」は可能の助動詞「べし」の連体形、「ぞ」は文末で強く言い切る意を表す。

ふ:経。時を過ごす
作者
よみ人しらず
出典
拾遺和歌集
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