大空に行きかふ鳥の雲路をぞ
人のふみ見ぬものと言ふなる
- 歌の意味
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大空を行き交う鳥の雲の通い路こそ、人の踏んでみることのないものだというが、私の手紙もそのように人に見てもらえないものであるらしい。
- 鑑賞
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巻第十七 雑歌三 1222
詞書「女のもとに文つかはしけるを、返事もせずして、のちのちは文を見もせで取りなむ置くと、人の告げければ」
大空を行き交う鳥の雲路こそ、人の踏んで見ないものだというが、と詠んだ歌である。「踏み」と「文」を掛け、読まれずにしまわれる自分の手紙を、人の踏み入らない雲路にたとえて恨んでいる。
詞書によれば、女のもとに手紙を送ったが返事もなく、のちには手紙を見もせずにしまっておくだけだと人が告げたので詠んだ歌である。
作者は「よみ人しらず」で、詠み手の名は伝わらない。
初句「大空に」は、大空を、の意である。
二句「行きかふ鳥の」は、行き交う鳥の、の意である。
三句「雲路をぞ」は、雲の中の通い路を、の意で、「ぞ」は強意の係助詞である。
四句「人のふみ見ぬ」の「ふみ」は、「踏み」と「文」を掛けた掛詞で、人が踏んでみない、の意と、人が手紙を見ない、の意を重ねている。
結句「ものと言ふなる」は、ものだというそうだ、の意で、三句の「ぞ」を受けて連体形「なる」で結ぶ係り結びとなっている。「なる」は伝聞を表す。
くもぢ:雲の中の通い路
ふみみる:「踏み見る」の意と、「文」を見る意を掛ける
- 作者
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よみ人しらず
- 出典
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後撰和歌集
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帰り来る道にぞ今朝は迷ふらん これになずらふ花なきものを
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紀の国の名草の浜は君なれや 事のいふかひありと聞きつる