帰り来る道にぞ今朝は迷ふらん
これになずらふ花なきものを
- 歌の意味
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帰って来る道で、今朝は迷うことだろう。これに並ぶほどの花はないのだから。
- 鑑賞
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巻第十七 雑歌三 1221
詞書「題しらず」
帰って来る道で今朝は迷うだろう、これに並ぶ花はないのだから、と詠んだ歌である。比べるもののない花に心を奪われ、名残惜しさに帰り道さえ迷うだろうと、花の美しさをたたえている。
作者の「つらゆき」は紀貫之である。紀望行の子で、古今和歌集の撰者の中心となり、仮名序を書いた。土佐日記の作者としても知られ、小倉百人一首には「人はいさ心も知らずふるさとは」の歌が採られている。
初句「帰り来る」は、帰って来る、の意である。
二句「道にぞ今朝は」は、道で今朝は、の意で、「ぞ」は強意の係助詞である。
三句「迷ふらん」は、迷うことだろう、の意で、二句の「ぞ」を受けて連体形「らん」で結ぶ係り結びとなっている。ここで句切れとなり、下の句と倒置になっている。
四句「これになずらふ」は、これに並ぶほどの、の意である。
結句「花なきものを」は、花はないのだから、の意で、迷う理由を倒置して述べている。
なずらふ:比べて同じほどである、並ぶ
- 作者
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紀貫之
- 出典
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後撰和歌集
- 前の歌
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かざすとも立ちと立ちなん無き名をば ことなし草のかひやなからん
- 次の歌
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大空に行きかふ鳥の雲路をぞ 人のふみ見ぬものと言ふなる