濃き色がいつはた薄くうつろはむ
花に心もつけざらんかも
- 歌の意味
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濃い色が、いつかまた薄く色あせてしまうだろう。そのような花に、心を寄せずにいようか。
- 鑑賞
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巻第七 物名 359
詞書「かいつはた」
濃い色もいつかまた薄く色あせてしまうのだから、そのような花には心を寄せずにいようかと詠む歌である。移ろいやすい花の色に、人の心の移ろいを思わせる趣があり、初句から二句にかけての「がいつはた」の音の続きに、詞書の「かいつはた」の名を隠している。詞書の「かいつはた」は、この歌に詠み込まれた物の名である。
初句「濃き色が」は、濃い色が、の意である。結句の「か」と二句の「いつはた」とを続けて「かいつはた」の名を隠している。
二句「いつはた薄く」は、いつかまた薄く、の意で、「はた」は、また、の意を表す。
三句「うつろはむ」は、色あせるだろう、の意で、「む」は推量の助動詞である。ここで句切れとなる。
四句「花に心も」は、そのような花に心も、の意である。
結句「つけざらんかも」は、寄せずにいようか、の意で、「ざら」は打消の助動詞、「ん」は意志の助動詞、「かも」は詠嘆を含んだ疑問を表す。
かいつばた:杜若。かきつばたの古い形。「色がいつはた」の音の続きに隠して詠み込む
うつろふ:色があせる。移ろう
- 作者
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よみ人しらず
- 出典
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わたつ海の沖なかにひのはなれ出でて 燃ゆと見ゆるは海人のいさりか
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