卯の花のよそめなりけり山里の
垣根ばかりに降れる白雪
- 歌の意味
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卯の花を遠目に見たための見誤りであったのだ。山里の垣根にだけ降り積もっていると見えた白雪は。
- 鑑賞
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巻第三 夏歌 143
詞書「遠村卯花といへる心をよめる」
「遠村卯花(遠い村の卯の花)」という題で詠んだ歌である。遠くの山里の垣根にだけ白雪が降り積もっているように見えたが、それは遠目に見た卯の花であった、と詠む。夏に雪が降るはずもないのに垣根だけが白いという不思議を、遠目の見誤りとして解き明かし、卯の花の白さを際立たせている。
作者の「賀茂政平」は賀茂社に仕えた神官の一族の人である。詳しい伝は明らかでない。
初句「卯の花の」は、二句の「よそめ」にかかる。
二句「よそめなりけり」の「よそめ」は離れたところから見ること、またその見誤りをいい、「けり」は気づきを表す。ここで句切れとなり、三句以下と倒置の関係にある。
三句「山里の」は、詞書の「遠村」を表す。
四句「垣根ばかりに」の「ばかり」は限定で、垣根にだけ、の意である。本巻の第百三十九首、第百四十二首と同じく垣根の卯の花を詠む。
結句「降れる白雪」は体言止めで、卯の花を白雪に見立てる。前歌の第百四十二首が卯の花の白さを「白河」に響かせたのに続き、本歌は白雪に見立てる。
よそめ:離れたところから見ること、遠目
- 作者
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賀茂政平
- 出典
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千載和歌集
- 前の歌
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見で過ぐる人しなければ卯の花の 咲ける垣根や白河の関
- 次の歌
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卯の花の垣根とのみや思はまし 賤の伏屋に煙立たずは