岩間より落ちくる滝の白糸は
むすばで見るも涼しかりけり
- 歌の意味
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岩の間から落ちてくる滝の、白糸のような流れは、手ですくわずにただ見ているだけでも涼しいことだ。
- 鑑賞
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巻第三 夏歌 222
詞書は前の歌に続き「刑部卿頼輔歌合し侍りけるに、納涼の心をよめる」
前歌と同じく頼輔の歌合で「納涼」を題として詠んだ歌である。岩の間から落ちてくる滝の流れは白い糸のようで、手ですくって飲まずとも、ただ見ているだけで涼しい、と詠む。「むすぶ」に、水を手で「掬ぶ」意と、糸を「結ぶ」意とを掛け、白糸に見立てた滝の縁で、目で味わう涼しさを表している。
作者の「藤原盛方朝臣」は民部卿藤原顕時の子とされる廷臣である。
初句「岩間より」は、岩の間から、の意である。本巻の第二百十二首「岩間もる」も岩間の水を詠む。
二句「落ちくる滝の」は、落ちてくる滝の、の意である。
三句「白糸は」は、滝の流れを白い糸に見立てた語である。
四句「むすばで見るも」の「むすぶ」は、水を手で「掬ぶ」意と、糸を「結ぶ」意とを掛け、「白糸」の縁語となる。「で」は打消の接続助詞で、すくわずに見るのも、の意である。
結句「涼しかりけり」の「けり」は詠嘆である。前歌の第二百二十一首が谷川の音で涼しさを詠んだのに対し、本歌は滝の姿を見て涼しさを詠み、耳と目とで納涼を詠み分けている。
むすぶ:水を手で「掬ぶ」意と、糸を「結ぶ」意を掛ける
しらいと:白い糸、滝の流れのたとえ
- 作者
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藤原盛方
- 出典
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千載和歌集
- 前の歌
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岩たたく谷の水のみおとづれて 夏に知られぬ深山辺の里
- 次の歌
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今日来れば麻の立ち枝に木綿かけて 夏みな月の禊をぞする