秋の夜や天の川瀬は凍るらむ
月の光の冴えまさるかな
- 歌の意味
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秋の夜には、天の川の瀬は凍るのだろうか。月の光がいっそう冷たく冴えわたることよ。
- 鑑賞
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巻第四 秋歌上 288
詞書は前の歌に続き「題しらず」
秋の夜には、天の川の瀬が凍っているのだろうか、月の光がいっそう冷たく冴えわたっている、と詠む。月の光が冴えまさるのは、月の渡る天の川が凍ったからだろうかと推し量り、冷たく澄んだ秋の月光を、天上の川の氷によって説明している。
作者の「藤原道経」は藤原顕綱の子である。和泉守を務め、従五位上に至った。藤原忠通の家の歌壇で活躍し、俊成を基俊に引き合わせたと伝えられる。
本巻の第二百七十九首が月の光を庭の氷に見立てたのに対し、本歌は天の川の氷を思い描く。本巻の第二百三十九首「天の河原」、第二百四十一首「天の川」も天の川を詠む。
初句「秋の夜や」の「や」は疑問の係助詞で、二句以下の推量と呼応する。
二句「天の川瀬は」は、天の川の瀬は、の意である。本巻の七夕の歌の第二百三十九首、第二百四十一首にも天の川が詠まれている。
三句「凍るらむ」の「らむ」は現在推量の助動詞で、凍っているのだろうか、と推し量る。ここで句切れとなる。
四句「月の光の」は、月の光が、の意である。
結句「冴えまさるかな」の「冴えまさる」は、いっそう冷たく冴える意で、「かな」は詠嘆の終助詞である。本巻の第二百七十六首「冴えても月の」、第二百九十三首「音冴えて」も「冴ゆ」を詠む。
さえまさる:いっそう冷たく冴える
- 作者
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藤原道経
- 出典
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千載和歌集
- 前の歌
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山の端にますみの鏡掛けたりと 見ゆるは月の出づるなりけり
- 次の歌
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遠ざかる音はせねども月清み 氷と見ゆる志賀の浦波