- 歌の意味
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浅茅原の葉先に結ぶ露の一つ一つに、光を分けて宿っている月の光よ。
- 鑑賞
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巻第四 秋歌上 296
詞書「月照草露といへる心をよめる」
「月照草露(月が草の露を照らす)」という題で詠んだ歌である。浅茅原の葉先に結ぶ無数の露の一つ一つに、月がその光を分け与えて宿っている、と詠む。ただ一つの月が無数の露の玉のすべてに映るさまを、光を「分けて」宿るととらえ、細やかで美しい月夜の野の景を描いている。
作者の「藤原親盛」は周防守藤原親康の子である。左衛門尉を務め、後白河院に仕えて今様を学んだ。院の没後に出家した。
前歌の第二百九十五首に続いて浅茅原の月を詠む。本巻の第二百八十一首「月宿りけり」が萩の色の波に宿る月を詠んだのに対し、本歌は露の一粒一粒に宿る月を詠み、一つの月と無数の露という尺度の対比を見せている。
初句「浅茅原」は、丈の低い茅萱が一面に生えた野原である。前歌の第二百九十五首の三句と同じ語である。
二句「葉末に結ぶ」の「葉末」は葉の先、「結ぶ」は露が玉となって置く意である。
三句「露ごとに」は、露の一つ一つに、の意である。
四句「光を分けて」は、一つの月が無数の露にその光を分け与えて、の意である。
結句「宿る月影」は体言止めで、露に映る月の光をいう。本巻の第二百八十一首「月宿りけり」と同じく、月が水に「宿る」と詠む。
はずゑ:葉の先
むすぶ:露が玉となって置く
- 作者
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藤原親盛
- 出典
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千載和歌集
- 前の歌
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照る月の影冴えぬれば浅茅原 雪の下にも虫は鳴きけり
- 次の歌
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更けにける我がよの秋ぞあはれなる 傾く月はまたも出でなん