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深山路はかつ降る雪に埋もれて
いかでか駒の跡をたづねん

歌の意味
深山の道は、次から次へと降る雪に埋もれて、どうして馬の足跡をたどってゆけようか。
鑑賞
巻第六 冬歌 451

詞書は前の歌に続き「題しらず」
 深山の道は次から次へと降る雪に埋もれて、どうして馬の足跡をたどってゆけようか、と詠む。道しるべとなる先人の馬の足跡さえ、降りつづく雪にすぐさま消されてしまう、雪の山路の心細さを詠んでいる。
 作者の「前参議教長」は藤原教長である。大納言藤原忠教の子で、参議に至った。能書家として知られ、保元の乱で崇徳院方について常陸に流された。崇徳院の久安百首の作者の一人である。
 第四百四十五首から第四百六十七首まで、雪を詠む歌が続く。本巻の第四百六十三首は「駒の跡はかつ降る雪に埋もれて」と、本歌とほぼ同じ句を用いて、後から来る人の迷いを思いやる。二首は同じ景を、自分がたどる側と、跡を残して先を行く側という逆の立場から詠んでいる。

 初句「深山路は」は、奥深い山の道は、の意である。
 二句「かつ降る雪に」の「かつ」は、次々に、一方では、の意で、絶え間なく降る雪をいう。本巻の第四百六十三首も同じ句を置く。
 三句「埋もれて」は、雪に埋もれて、の意である。本巻では第四百五十四首、第四百五十七首、第四百五十八首、第四百六十二首、第四百六十三首と、雪に「埋もれて」の句がくり返される。
 四句「いかでか駒の」の「いかでか」は反語で、どうして〜できようか、の意である。結句の「ん」と連体形で結ぶ。「駒」は馬である。
 結句「跡をたづねん」の「たづぬ」は、たどり求める意である。

みやまぢ:奥深い山の道
こま:馬
たづぬ:たどり求める
作者
藤原教長
出典
千載和歌集
前の歌
たとへても言はむ方なし月影に 薄雲かけて降れる白雪
次の歌
おしなべて山の白雪積もれども しるきは越の高嶺なりけり