恋しともまたつらしとも思ひやる
心いづれか先に立つらん
- 歌の意味
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恋しいとも、またつらいとも、あの人を思いやる私の心の、そのどちらが先に立つのだろうか。
- 鑑賞
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巻第十二 恋歌二 735
詞書は前の歌に続き「題しらず」
恋しいとも、またつらいとも思いやる心の、どちらが先に立つのだろうか、と詠む。相手を恋しく思う気持ちと、つれなさを恨めしく思う気持ちとが胸の内で入り交じり、どちらが勝っているのか自分でもわからないという、恋心の揺れを見つめた歌である。
作者の「源師光」は大納言源師頼の子である。村上源氏の歌人で、のちに出家して生蓮と号した。後鳥羽院の女房歌人である宮内卿の父にあたる。
初句「恋しとも」は、恋しいとも、の意である。
二句「またつらしとも」は、またつらいとも、の意で、初句と並べて相反する二つの思いを示す。
三句「思ひやる」は、遠く離れた人に思いを馳せる、の意で、四句の「心」にかかる。
四句「心いづれか」の「か」は疑問の係助詞で、結句の「らん」と係り結びをなす。心のどちらが、の意である。
結句「先に立つらん」の「らん」は推量の助動詞「らむ」の連体形で、四句の「か」の結びである。どちらが先に立つのだろうか、の意である。
おもひやる:遠く離れた人のことに思いを馳せる
- 作者
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源師光
- 出典
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千載和歌集
- 前の歌
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命をば逢ふに代へんと思ひしを 恋ひ死ぬとだに知らせてしかな
- 次の歌
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逢ふならぬ恋慰めのあらばこそ つれなしとても思ひ絶えなめ