万代を契り初めつるしるしには
かつがつ今日の暮ぞ久しき
- 歌の意味
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万代まで変わらぬ契りを結びはじめたしるしとしては、まずさしあたって今日の暮れまでが、待ち遠しく長く感じられることだ。
- 鑑賞
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巻第十三 恋歌三 797
詞書「位の御時、皇太后宮初めて参りたまへりける後の朝に遣はしける」
後白河天皇の在位中、のちの皇太后宮藤原忻子が初めて入内した翌朝に贈った歌である。万代の契りを結びはじめたしるしとしては、さしあたり今日の暮れまでが久しく思われる、と詠む。永遠を誓う「万代」と、今日の夕暮れまでの短い時とを対比させ、これから万代も続く契りの始まりに、まず今夜再び逢うまでのわずかな時さえ待ち遠しいという、新たな后への思いを表している。
作者の「院御製」は、本集の撰進を命じた後白河院の詠んだ歌を示す。鳥羽天皇の第四皇子で、第七十七代の天皇として即位し、譲位後は長く院政を行った。今様を好み、「梁塵秘抄」を編んだ。詞書の「皇太后宮」は右大臣藤原公能の娘の藤原忻子で、後白河天皇の中宮となり、本集の撰集当時は皇太后であった。
本歌から次歌の第七百九十八首まで後朝の文が二首続き、本歌が逢瀬の翌朝に今日の暮れを待ちかねる側を詠むのに対し、次歌は後朝の文が遅れて相手を待たせた側を詠む。
初句「万代を」は、万代までも、の意で、永遠に変わらない契りを示す。
二句「契り初めつる」の「初む」は、はじめて〜する意、「つる」は完了の助動詞「つ」の連体形で、契りを結びはじめた、の意である。入内の初夜を指す。
三句「しるしには」は、そのしるしとしては、の意である。
四句「かつがつ今日の」の「かつがつ」は、さしあたって、まずは、の意である。初句の「万代」と、今日という一日とを対比させる。
結句「暮ぞ久しき」の「ぞ」は強意の係助詞で、「久しき」と連体形で結ぶ。今日の夕暮れまでが待ち遠しく長い、の意である。
ちぎりそむ:はじめて契りを結ぶ
くれ:日暮れ、夕方
- 作者
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後白河院
- 出典
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千載和歌集
- 前の歌
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冬の日を春より長くなすものは 恋ひつつ暮らす心なりけり
- 次の歌
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今朝問はぬつらさにものは思ひ知れ 我もさこそは恨みかねしか