わび人の心のうちをよそながら
知るや悟りの光なるらん
- 歌の意味
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嘆き暮らす人の心の内を、遠く離れたところにいながら知ってくださるのは、それが悟りの光であるからなのだろうか。
- 鑑賞
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巻第十九 釈教歌 1215
詞書「阿弥陀の十二光仏の御名を詠み侍りける中に、智恵光仏の心を詠める」
阿弥陀仏の十二の光明の名を詠んだ中で、智恵光仏の心を詠んだ歌である。わび人の心のうちを遠くにいながら知るのは、悟りの光であるからだろうか、と詠む。智恵光は阿弥陀仏の智恵の光で、衆生の心の闇を照らし出すとされる。遠い西方にいながら、つらい思いをする人の胸の内まで見通すのは、その光が智恵の光だからだと、仏の智恵をたたえている。
作者の「源俊頼朝臣」は大納言源経信の子である。堀河院の歌壇で活躍し、白河院の命により『金葉和歌集』を撰進した。
初句「わび人の」の「わび人」は、思うにまかせず嘆き暮らす人の意である。
二句「心のうちを」は、心の中を、の意である。
三句「よそながら」は、遠く離れたところにいながら、の意で、西方浄土にいる阿弥陀仏の立場を言う。
四句「知るや悟りの」の「や」は疑問の係助詞で、結句の「らん」で結ぶ。「悟り」は仏の智恵を言う。
結句「光なるらん」の「なる」は断定の助動詞「なり」の連体形で、「らん」は原因推量の助動詞「らむ」の連体形として係り結びの結びとなる。詞書の「智恵光」を受けている。
わびびと:思うにまかせず嘆き暮らす人
じふにくわうぶつ:阿弥陀仏の光明の徳を十二の名で表したもの
- 作者
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源俊頼
- 出典
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千載和歌集
- 前の歌
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うれしくぞ名を保つだにあだならぬ 御法の花にみを結びける
- 次の歌
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誓ひをば千尋の海にたとふなり 露も頼まば数に入りなん