神うくる豊の明かりに木綿園の
日蔭かづらぞ映えまさりける
- 歌の意味
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神が供え物を受けられる豊明の節会に、木綿園の日蔭のかずらが、ひときわ照り映えていることだ。
- 鑑賞
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巻第二十 神祇歌 1284
詞書「久寿二年院の御時、大嘗会悠紀方の神楽歌、近江国木綿園を詠み侍りける」
久寿二年(1155)、後白河天皇の大嘗会で、悠紀方の神楽歌として近江国の木綿園を詠んだ歌である。詞書の「院」は、本集成立時の上皇である後白河院を指す。神の受ける豊の明かりに、木綿園の日蔭かずらが映えまさる、と詠む。大嘗会の後に催される豊明の節会で、参列者が冠に掛ける日蔭のかずらが灯火に照り映えるさまを詠み、地名の木綿園を神事の木綿に通わせて、晴れやかな祝いの場を描いている。
作者の「宮内卿永範」は藤原永範である。藤原南家の儒者で、文章博士を経て宮内卿に至った。
次歌の第千二百八十五首も同じ作者による悠紀方の近江国の歌である。
初句「神うくる」は、神が供え物を受ける、の意である。
二句「豊の明かりに」の「豊の明かり」は大嘗会や新嘗祭の後に宮中で催される豊明の節会で、灯火の明かりの意を響かせている。
三句「木綿園の」は悠紀方の近江国の地名で、神事に用いる木綿を思わせる。
四句「日蔭かづらぞ」の「日蔭かづら」は神事の際に冠に掛けて垂らす飾りで、「ぞ」は強意の係助詞、結句の連体形「ける」で結ぶ。二句の「明かり」と「日蔭」とが対照をなしている。
結句「映えまさりける」は、いっそう照り映える、の意で、「ける」は詠嘆の助動詞「けり」の連体形として係り結びの結びとなる。
とよのあかり:大嘗会や新嘗祭の後に宮中で催される宴、豊明の節会
ひかげかづら:神事の際に冠に掛けて垂らす飾り、もとは植物の日蔭の蔓を用いた
はえまさる:いっそう照り映える
- 作者
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藤原永範
- 出典
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千載和歌集
- 前の歌
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いにしへの神の御代より諸神の 祈る祝ひは君が代のため
- 次の歌
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皇をやほよろづよの神もみな 常磐に守る山の名ぞこれ