古今和歌集 - よみ人しらず
散ってしまった訳ではないが、その前から惜しいまれる紅葉は今だけの色と見たので。
詳細を見る
古今和歌集 - 紀とものり
誰かのための錦であるので、秋の霧は立ち込めて佐保の山一帯を隠すのか。
古今和歌集 - 坂上是則
佐保山の「ははそ」の色は薄いけれど秋は深くなってしまったことだ。
古今和歌集 - 在原業平朝臣
しっかりと植えたならば秋が来ると咲くだろう。花こそ散るとしても根まで枯れることはない。
古今和歌集 - 藤原敏行朝臣
雲の上で見る菊は大空の星と見間違えてしまった。
露を置いたままの菊の花を折って頭に飾りとして挿そう。老いることのない秋がいつまでも長く続くように。
古今和歌集 - 大江千里
植えた時は花を待ち遠しく感じていた菊だが、花がしおれていく秋に会おうとは思いもしなかった。
古今和歌集 - 菅原道真
秋風の吹き上げる「吹上の浜」に立っている白菊は花であろうか、波が打ち寄せているのだろうか。
古今和歌集 - 素性法師
山道の菊の露で着ているものが濡れて干しているわずかな間に、いつの間に私は一千年も過してしまったのだろうか。
花を見ながら人を待っている時は、白い衣服の袖かと見間違えてしまった。
一本だと思っていた菊を大沢の池の底にも誰が植えたのだろうか。
古今和歌集 - 紀貫之
秋の菊が美しく咲いている間は頭に飾ってみよう。花より先に死ぬかもしれない我が身であるから。
古今和歌集 - 凡河内みつね
折り取るならば当てずっぽうに折り取るとしよう。初霜が降りてどれが白菊の花か分からなくなってしまっている。
寒くなるにつれて色が変わる秋の菊を、一年のうちに二度咲き匂う花であると思う。
古今和歌集 - 平貞文
秋とは別の時にも盛りがあるのが菊の花です。色が変わるとともに増していきますから。
咲き始めた家から移されたので、菊の花は色まで変わってしまったことだ。