霞立つ春日の野辺の若菜にも
なり見てしかな人も摘むやと
- 歌の意味
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春日の野辺の若菜にでもなってみたいものだ。あの人も摘んでくれるかと思って。
- 鑑賞
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巻第一 春歌上 8
詞書は前の歌に続き「題しらず」
春日野の若菜になって、思う人に摘み取ってもらいたいと願う恋の歌である。若菜摘みの風景に、相手に手に取ってほしいという切ない思いを重ねている。
作者は「よみ人しらず」で、詠み手の名は伝わらない。
初句「霞立つ」は、「春日」にかかる枕詞である。春の霞のたなびく情景を添えている。
二句「春日の野辺の」は、若菜摘みの名所である春日野を示す。春日野は本巻の第十三首や第十五首にも詠まれている。
三句「若菜にも」の「も」は、せめて若菜にでも、という気持ちを表す。前歌までの子の日、若菜摘みの歌を受けている。
四句「なり見てしかな」の「てしかな」は自己の願望を表し、若菜になってみたいものだと願っている。ここで句切れとなる。
結句「人も摘むやと」は倒置で、そうすればあの人も自分を摘んでくれるだろうかという期待を示す。
わかな:春の初めに摘む食用の草
- 作者
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よみ人しらず
- 出典
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後撰和歌集
- 前の歌
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君のみや野辺に小松を引きにゆく 我もかたみに摘まむ若菜を
- 次の歌
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春の野に心をだにもやらぬ身は 若菜は摘まで年をこそつめ