我が背子に見せむと思ひし梅の花
それとも見えず雪の降れれば
- 歌の意味
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あの人に見せようと思っていた梅の花は、どれがそれとも見分けがつかない。雪が降り積もっているので。
- 鑑賞
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巻第一 春歌上 22
詞書「題しらず」
愛しい人に見せようと思っていた梅の花が、降り積もった雪にまぎれて見分けられなくなったと詠んだ歌である。白梅と雪の白さが溶け合う情景に、見せられない残念さを込めている。
作者は「よみ人しらず」で、詠み手の名は伝わらない。
万葉集巻八に山部赤人の歌として同じ歌が収められている。
初句「我が背子に」は、親しい人、愛しい人に、の意を表す。
二句「見せむと思ひし」の「む」は意志を表し、見せようと思っていた、の意である。
三句「梅の花」は、ここから続く梅の歌の一連の始まりである。本巻の第二十三首から第二十七首まで、梅の歌が続いていく。
四句「それとも見えず」は、どれが梅の花とも見分けられない、の意で、白梅と雪が見まがう情景を表す。ここで句切れとなる。
結句「雪の降れれば」は倒置で、雪が降り積もっているので、と見分けられない理由を示している。
せこ:女性が夫や恋人を、また親しい男性を呼ぶ語
- 作者
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よみ人しらず
- 出典
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後撰和歌集
- 前の歌
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春立ちて我が身ふりぬるながめには 人の心の花も散りけり
- 次の歌
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来て見べき人もあらじな我が宿の 梅の初花折りつくしてむ