吹く風に散らずもあらなむ梅の花
我が狩衣一夜宿さむ
- 歌の意味
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吹く風に散らずにいてほしい、梅の花よ。私の狩衣を、今夜ひと晩ここに宿らせよう。
- 鑑賞
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巻第一 春歌上 25
詞書は前の歌に続き「題しらず」
風に散らないでほしいと梅の花に呼びかけ、その花のもとに狩衣姿のまま一夜の宿りをしようと詠んだ歌である。旅の途中で出会った梅の美しさに心ひかれ、立ち去りがたい思いを表している。
作者は「よみ人しらず」で、詠み手の名は伝わらない。
初句「吹く風に」は、花を散らす風を示す。
二句「散らずもあらなむ」の「なむ」は他に対する願望を表し、散らずにいてほしい、の意である。
三句「梅の花」は呼びかけで、ここで句切れとなる。前歌の第二十四首が梅を折り尽くそうとしたのに対し、本歌は散らずにいてほしいと願っており、梅への向き合い方が対照的である。
四句「我が狩衣」は、狩や旅のときに着る衣を示し、作者が旅の途上にあることをうかがわせる。
結句「一夜宿さむ」の「宿す」は、とどめ置く、宿らせる意で、狩衣を花のもとに一夜とどめる、すなわち花の下で旅寝をしようという意を表す。
かりぎぬ:狩や旅のときに着る衣
やどす:宿らせる、とどめ置く
- 作者
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よみ人しらず
- 出典
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後撰和歌集
- 前の歌
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ことならば折りつくしてむ梅の花 我が待つ人の来ても見なくに
- 次の歌
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我が宿の梅の初花昼は雪 夜は月とも見えまがふかな