- 歌の意味
-
我が家の梅の初花は、昼は雪かと、夜は月の光かと見間違えるほどだ。
- 鑑賞
-
巻第一 春歌上 26
詞書は前の歌に続き「題しらず」
我が家に咲いた梅の初花の白さを、昼は雪に、夜は月の光に見まがうと詠んだ歌である。昼と夜を対にして、白梅の清らかな美しさを際立たせている。
作者は「よみ人しらず」で、詠み手の名は伝わらない。
初句「我が宿の」は、我が家の、の意である。本巻の第二十三首と同じく「我が宿の梅の初花」で始まっている。
二句「梅の初花」は、その年に初めて咲いた梅の花を示す。第二十三首では折り尽くそうとされた初花が、本歌ではその美しさを愛でられている。
三句「昼は雪」は、昼の光の中で白梅が雪のように見えることを表し、四句の「夜は月」と対句をなしている。
四句「夜は月とも」は、夜には月の光のようにも見えることを表す。
結句「見えまがふかな」の「見えまがふ」は見間違える意で、「かな」は詠嘆を表す。
はつはな:その年、またはその木に初めて咲く花
みえまがふ:見分けがつかないほど似て見える
- 作者
-
よみ人しらず
- 出典
-
後撰和歌集
- 前の歌
-
吹く風に散らずもあらなむ梅の花 我が狩衣一夜宿さむ
- 次の歌
-
梅の花よそながら見む我妹子が とがむばかりの香にもこそしめ